ユアストーリーについてネタバレ感想
放置していたはてなダイアリーからはてなブログに移転しての初記事。
8月3日に映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』を観てきた。一応、擁護、肯定するつもりで感想を書く。
私は元々観る気は無かった。
SFC版DQVで普通の選択は嫌だ一点でフローラを選ぶひねくれ者だったし、タイトルからして「お前の物語」というメタ構造を明らかにしていたので、高いカートリッジを買う場面とか、スマブラのように勇者勢揃い召喚くらいはあると踏んでいた。だがDQVの映画化のようなプロモしか出てこない。そのため事前情報も自分から調べずに様子見のつもりだった。
しかし最後の10分間で裏切られ、実写版デビルマン並みの酷い映画だとツイートが流れてきたのだ。これは観なくてはいけない!観ないで感想してはいけない!
以下ネタバレ
結論から言うとデビルマンのような手のつけられない状態ではない。DQ5ファンがDQ5映画だと思って観たら火をつけたくなる内容だと言うのは理解する。だが最初からメタフィクションだと思っているとそこまででは無い。映像は美しいし、音楽も辛うじてDQの範疇だ。問題はシナリオだけだ。
シナリオとて事前に予想していたので最後の15分前に前振り2点が気がついた。
- フローラ限定のVR設定を解除する場面。
- 母をはじめとして複数回の台詞で「今回は」と言っている
- 後から気がついたがスラリンが強制参加するのもそうだろう
設定が色々と違うのはメディアの制約で仕方ないと踏んでいる。映画という制約もあるがVRという劇中設定もある。あのVRでは時間制約の他にリボンを取りだすような強制動作もできない。ヘタレなのはゲームでは自分の分身であった主人公が、プレイヤーの分身だからだ。
VR設定を最初から明かせば感想も違っただろう。
その他シナリオの問題点は以下だ。
なぜ幼少期をSFC版でのダイジェストなんだ。これでSFC版の追体験のいう構図を観客にさせ怒りの原因となっている。別物という前振りする必要があったろう。
VRという前振りはあってもウィルスという前振りがない。その為唐突なラスボスとなり二つ目の怒りの原因となっている。
ウィルス作者の大人になれというメッセージも意味不明だ。全く理解できないメッセージにするくらいなら愉快犯の方がマシだ。
フローラが薬渡すのはウィルスと関係なくシナリオのバグだろ。
記憶操作出来るならVRの意味はない。楽しんだという記憶を植えつければ良いのだ。VRという流行に乗っただけの考え無しに過ぎない。
なんか擁護が少ないので他の人の感想に指摘してみよう。
映画「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」レビュー ゲームを、フィクションを、人生をここまで愚弄する作品を私は他に知らない (1/2) - ねとらぼ
ねとらぼ記事ではメタフィクションの前例として映画版ネバーエンディングストーリーを挙げていたが、原作者には悪いが楽しんで観た口だ。通常ならば介入できない書籍に対して手助けするというのはドラえもんにも出てきたがワクワクする構図だ。
ただし元々インタラクティブなゲームに対して介入するのは構図が異なると思う。どちらかというとバグ技だとか悪しき製作者に対抗するとかゲームセンターあらしより続くゲーム漫画の系譜と思われる。
……やはり擁護になって無いな。